売り手は買い手企業の正体を知った後、価格を38,000ドルから380,000ドルへと引き上げようとしたといいます。
オーストラリアの企業Pay.com.au社が、ドメイン取引において売り手が価格を10倍に吊り上げようとしたため、
契約が破綻したとして訴訟を起こしました。
2024年4月17日、ビジネス向けの支払いプラットフォームを提供するフィンテック企業Pay.com.auはアメリカ・コロラド州デンバー市郡地方裁判所にて、
「PayRewards.com」のドメイン登録者であるディーン・アダムス氏を提訴しました。
同社によりますと、アダムス氏は「PayRewards.com」を38,000ドルで売却することに合意し、
Escrow.comを通じて取引が開始されました。買い手側も取引に同意し、代金はすでに支払われていたといいます。
ところがアダムス氏は、買い手の正体を知った後、価格を38万ドルに引き上げるよう一方的に要求。
さらに「支払わなければ、週ごとに5%ずつ値上げする」と脅し、他の買い手に売却する可能性も示唆したとのことです。
この事態を受けて、2025年4月22日には裁判所が仮差止命令を発令。
ドメインの移転や削除を禁止する措置が取られました。
アダムス氏はこの審理に出廷しなかったと報じられています。
なお、訴訟ではレジストラのNameBright社およびそのプライバシーサービスも名指しされましたが、
これに対して異議は提出されませんでした。
DomainToolsの過去のWhois記録によると、アダムス氏はこのドメインを2022年にHugeDomainsから取得したと見られています。
Pay.com.auは、企業向けに決済時のポイント付与や報酬サービスを展開しており、
すでに「PayRewards.com.au」という.auドメインも保有しています。
なお、同社は2024年12月に3億300万ドルの企業評価で1,500万ドルの資金調達にも成功しています。
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