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2022年6月29日ドメイン仲介業者VPN.comがジョージディキアン (カリフォルニア州)、チャンドゥ(香港)、ジョンドゥの3個人に対し
25万ドル相当（2022年6月の価値）のビットコインをドメイン取引で巻き上げられたと米国地方裁判所 (カリフォルニア州)に訴訟を起こしました。
商取引した89.comを含む96のプレミアムドメインと損害賠償の手数料662万ドルも要求しています。
3人の被告はエスクロー（取引保全）サービス「Intermediar」を利用しました。このサイトは現在表示されません。
事の発端は2022年3月8日、ZTE Holdingsのチャンドゥが89.comを購入したいから所有者を特定してほしいとVPN.comに相談したことが始まりです。
調査すると89.comはジョージディキアンが所有していました。
VPN.comは過去ジョージディキアンと取引をした事があり、また1,800を超えるドメインが彼の電子メールアドレスg.dikian@yahoo.comに関連付けられているので信用してしまいました。
ディキアンは89.comを200万～300万ドルで売っても良いとVPN.comに伝えます。
交渉の結果、ディキアンは225万ドルの買収価格で合意、VPN.comの手数料は215万ドル、チャンドゥは合計440万ドルで購入することになりました。
VPN.comは、信頼できる大手エスクローサービスEscrow.comまたはEpik.comのどちらかで取引をしたいと主張しましたが、
ディキアンはIntermediarを使いたいと反対しました。
結局エスクローサービスはIntermediarを使うことになり、ディキアンはIntermediar経由でチャンドゥから200万ドル、
VPN.comからビットコインで25万ドル受け取ることに同意しました。
2022年4月、チャンドゥがIntermediarに入金し、ディキアンはIntermediarを介して89.comをチャンドゥに引き渡し取引が完了しました。
しかしこの取引は嘘でした。
また、Intermediarの取引が終了する前に、ディキアンはVPN.comに95個のプレミアムドメインを追加で取引したいと言ってきました。VPN.comは、チャンドゥの代わりにディキアンと95の3文字ドメインをまとめて買収する交渉を開始しました。
双方の交渉の結果、VPN.com、ディキアンおよびチャンドゥはEscrow.com取引について合意に達し、チャンドゥは12,530,000ドルを支払い、ジョージディキアンは8,025,000ドル、VPN.comは4,475,000ドルを受け取る取り決めをしました。
しかしこれは89.comの取引から得られる数百万ドルよりもさらに多くのお金を稼げるとVPN.comに思わせるためで、実際に取引は行われませんでした。
間もなくVPN.comは89.comの交渉は嘘だと知りますが、Intermediarとは連絡がとれなくなります。
2022年5月11日、ディキアンは89.comの取引について知らないふりをして、詐欺師が自分の電子メールアドレスを乗っ取ったとVPN.comに連絡してきました。電子メールアドレスを乗っ取られたので、ビットコインを受け取っていないと主張し始めたのです。
ディキアンがVPN.comにメールをしたのはg.dikian@yahoo.comからで、それ以降もさまざまなメールを送っています。メールヘッダを解析してもなりすましではありませんでした。
2022年5月12日、何者かがVPN.comがビットコインを送ったウォレットから6.27ビットコインを引き出しました。
そしてウォレットは翌日の2022年5月13日までに完全に空になりました。
2022年5月、VPN.comはIntermediarにディキアンがビットコインを受け取り引き出したことを伝え、返金を要求しました。
しかしIntermediarはこれを拒否し、最終的にVPN.comとの通信を完全に遮断しました。VPN.comの調査によって、89.comは元々レジストラから移管されていないことが判明しました。
VPN は以下の訴訟を起こしました。
1 損害賠償金。両者からの手数料6,625,000ドル以上、VPN.comが被告に送金した25万ドル
2 合衆国法典に定められた金銭賠償
3 89.comと95の3文字数字ドメインを凍結する暫定的かつ恒久的な差し止め命令
4 合理的な弁護士費用、裁判費用、訴訟費用
5 5千万ドル以上の懲罰的損害賠償、または陪審によって決定される金額
6 当裁判所が正当かつ適切とみなすその他のさらなる救済
連邦訴訟と刑事捜査が行われており、これらの民事および刑事事件の結果が出るまで、96のドメインはすべてロックされました。
さてジョージディキアン 、チャンドゥ、ジョンドゥの誰も訴訟に応じず、裁判所は債務不履行に入りましたが、2022年12月、「ジョージディキアン」が弁護に現れました。ここで彼の名前を「」で囲んだのは、取引を行った人物がジョージディキアンであったかどうかではなく、ディキアンがドメイン投資家の仮名であるためです。実はVPN.comは本名を知らずに誰かと取引を行っていました。
ディキアンは取引はしていないと主張し、訴訟に対し次のように述べました。
・詐欺的取引を試みたのはVPN.comである。
・信用できないエスクローサービスIntermediar.comを利用したのはVPN.comの責任である。
・数百万ドルの商取引に対するドメイン名仲介手数料は一般的に5%から15%の範囲だが、
VPN .comは手数料を取りすぎている。
この裁判はまだ終わっておりません。
明らかなことは、VPN.comが騙されたという事です。
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